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【管打八重奏】夜の来訪者/松下倫士(WML-101)
【楽曲紹介】
この作品は精華高等学校吹奏楽部の委嘱で作曲をし、2019年に初演されました。イギリスの劇作家J・B・プリーストリーが書いた戯曲「夜の来訪者」を基にして作曲しています。この戯曲は映画や舞台化されているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
舞台は裕福な実業家の家庭で、娘の婚約を祝う一家団らんの夜に、突然警部を名乗る男が訪れます。ある貧しい女性が自殺したことを告げ、その女性と家族がそれぞれ繋がっていることを暴いていきます。最後はどんでん返しがあるのですが、それは戯曲を読んでいただくことにして、この戯曲の展開や人間の見にくい部分など色々と考えさせられることが多い物語です。
私が書いたこのアンサンブル曲は異なる楽器が集まった編成で一見するとまとまりの無い感じに見えますが、逆にその特徴を生かして、それぞれの楽器に登場人物を割り当てるようなイメージで作曲しました。怪しい空気感や緊張感、そして一瞬の幸せなど様々な心情を想像して表現していただけると嬉しいです。
尚、打楽器のSuspended Cymbalは2通りの記載がありますが、●の音符はマレットで、×の音符はスティックで演奏してください。ただ演奏上の都合で変更していただくことは構いません。
【作曲者プロフィール】
作曲:松下倫士
東京藝術大学音楽学部作曲科を経て、2009年同大学院修士課程作曲専攻修了。卒業時に藝大同声会賞受賞。2014年東京音楽大学大学院修士課程伴奏科修了。これまでに日本交響楽振興財団第29回作曲賞、第5回北本ピアノコンクール最優秀賞、第22回宝塚ベガ音楽コンクールピアノ部門第2位、第51回JBA下谷賞など多数受賞。
近年は「土蜘蛛伝説」「繚乱」など吹奏楽やアンサンブル作品が全国各地で演奏されているほか、ピアニストとして2012年に日本コロムビアより「僕が僕であるために~尾崎豊 オンピアノ」(編曲・演奏)をリリース。また2014年に「夢見草~松下倫士ピアノソロアルバム」をリリース。ピアノソロだけでなく著名な演奏家との共演も多く、高い信頼と評価を得ている。
洗足学園音楽大学、東京音楽大学非常勤講師。21世紀の吹奏楽"響宴"会員。
【楽器編成】
Piccolo & Flute
Clarinet in B♭
Soprano & Alto Saxophone
Trumpet(doubling Percussion)
Horn
Trombone
Tuba(doubling Percussion)
Percussion(Vibraphone/3Tom-toms/Suspended Cymbal/Kick Bass Drum/Splash Cymbal/Timpani/Wind Chimes/Maracas/Tam-tam/Hi-hat/Marimba)
【参考動画】